POSレジシステム
オンネットPOS

概要

オンネットPOSはオンネット販売(一般受注)、在庫の中に統合されています。統合されているという意味は、得意先、商品などのマスタが同一、受注、売上、債権管理データが同一であるということです。

これまでPOSは、レジ機能として当初個別開発(大手専業メーカーで)が進められていきました。POS機器も専用機でした。しかし30年くらい前から、個別のPOS機器を汎用機、オフコンなどで、マスタ統合、売上データの即時収集、在庫管理などが進んできました(以下「統合機能」)。この流れは汎用機メーカがPOS機器を束ねる形で主導してきたと思います。

そんな経緯の中で、オンネットPOSはWindowsOS+インターネット+クラウドを用いて、個々のPOS機器と統合機能を一体化させる考えで開発を進めています。大規模システムが、劇的に安価になった汎用技術で達成できるようになったのです。現在100台を超えるPOSや、航空機内POSも運用出来る様になりました。全国からの時々刻々の売上データも画面で即時に参照できます。

これまでの経験からPOSレジは「その場決済(出荷、売上、入金が同一タイミングで行われること)」を省力化するものだけでないことが分かってきました。多くの場合「後日決済(売掛)」が存在するのです(ほとんど一般受注業務と同一です)。売掛管理のほかに「ポイント管理」、「値引き管理」「複数販売単価選択」なども必要だったのです。オンネットPOSは、このような「複雑処理対応」に特徴があります。

簡単POSにする場合は、項目を削除することで対応可能です。一般のPC、タブレットで動作します。

機能範囲

オンネットPOS画面

まず上記POSレジ画面を見て「ワッ何と複雑な画面!」「使い難いのでは?」お思われた事でしょう。実際に多くの方にそう言われてきました。でも実際に導入した店舗では、この位の項目が必要だったのです。どうしても不要な項目は消すことも可能です。また、画面は複雑でも販売時には商品バーコード読み込みと会員カード読み込みだけですので、思ったほど複雑操作にはなりません。

「掛売り」があるということ
①の得意先管理と得意先住所管理によって行なわれます。
「レジでは現金(カードを含む)で決済がすべて終了する」と考えがちです。当社でも開発当初そう考えていました。スーパー、コンビ二のPOSレジを連想して、そう考えていました。しかし多くの場合、商品引渡しと決済が同時で行なわれていませんでした。商品渡しが先で入金が後になる「掛売り」があったり、「入金が先で後から商品渡しが行なわれる場合」などがありました。要は一般の販売管理と同様なのです。
「得意先ごとに売値が変わる」場合がある
得意先ごとに売値が変わることがあります。カード種別によって変わる・得意先によって変わる・一般顧客と法人販売とで変わる、など様々です。商品に対して複数単価を保持できますので、この様な要求にも対応可能です。
「ポイント管理がしたい」に応えます
②の項目によりポイント管理しています。
ポイント管理と顧客管理は密接に結びついています。顧客管理をするためにポイント管理(会員カード発行)が必要なのです。ポイント管理は各社それぞれ想いがあり、複雑になる場合があります。オンネットPOSでは複雑なポイント管理にも対応可能です。商品単位・カード種別・得意先別による対応をしていますが、より複雑な場合はカスタマイズが必要になる場合があります。
「キーから入力したい」に応えます
③の部分で管理しています。
「商品数が限られている場合、特殊商品(値引き、手数料など)をファンクションキー登録したい要望は結構あります。ファンクションキーには、得意先・商品が登録できます。一般のPOSレジのファンクションキーは画面下にありますが、横長画面が一般化していますから、横に配置し、操作性を高めました。
「多様な機能を付加すること」が可能です
④の部分で管理しています。
これまで述べてきましたが、POSレジは、入金決済だけの機能だけではありません。その一例を示します。(1)店頭販売だけでなく卸販売をする場合に、レシート出力ではなく、納品書(請求書を含む)出力ボタンを設けました。(2)後日商品発送するために、宅配便の送り状出力を設けました。(3)レジ現金精算を確実化するために、売上以外にレジに対し現金の出納額を入力する画面を設けました。ここで重要なことは、売掛入金が店舗で行なわれるため、得意先とリンクする必要があり、複雑です。(4)レジ精算は開始処理と終了処理で通常業務です。しかしテナントの場合、デベロッパー報告のためにカスタマイズが発生しています。これらの処理は各社個別に異なるため、カスタマイズが必要です。
「リンクNOと原価など」多様な明細表示に応えます
⑤の部分で管理しています。
例えばリンクNOがあります。リンクNOには、シリアルNO(医療機器など)・相手先発注NO(相手先指定。法人の場合)など様々なものがあります。POSレジにこの様な情報が入力できる商品は少ないでしょう。原価の表示要求もありました。社員に販売時の裁量を与えたり、利益管理の情報提供のためです。逆に「アルバイトに見せたくない」の要求もあります。その場合は非表示にします。
経営のリアル化が促進される
情報処理でいう「リアルタイム処理」とは「実時間処理」と定義され、必要時間内で処理することを意味します。「何でも瞬時」という事を意味していません。
ただ「オンネットPOS」は、全国のPOS売り上げを一か所で瞬時に確認できます。発注業務の統合、在庫移動の適切化、店舗応援などが図れると思います。売上が瞬時に把握できることで、経営判断のリアル化にも繋がるかも知れません。(経営判断については、当社は知見がありませんが。)

写真はTBグループ社製(iTR1500)へのセットアップ例です。もちろん一般PCにもセットアップ可能ですが、本機は以下の特長があります。

  • ・コンソール一体型で省スペース
  • ・画面自在アームによる利便性の向上と顧客向け2ndディスプレイ拡張
  • ・ディスプレイ自体の回転(縦横切替) *縦の場合は、画面デザイン変更が必要
  • ・プリンタ設置台の360度回転で、操作側、顧客側方向切替えが可能
  • ・ワイド画面、フルHD対応
  • ・豊富な周辺機器接続(自動釣銭機、各種決済端末など)が可能
  • 現地保守が可能

補足説明

複雑な決済
POSの複雑決済
POSによる商品販売は複雑です。相手が個人顧客になるので、一般のビジネス取引とは違い「何でもアリ」です。売る際の単価がマチマチ、会員登録、個別管理番号(シリアル番号)などは前述しました。ここで述べるのは決済条件の登録に関してです。
現金・後日入金・クレジット・金券・クーポン・割引券(釣銭あり、なし)・公的団体助成入金・分割入金などなど、開発の度に新たな要求があります。上図の画面は、複雑な決済要求に柔軟に対応するために準備しています。
超複雑な単価設定
どんな複雑な単価でも単価欄に数値を入力する方式であればシステムは簡単です。ただ、単価設定は人が行いますから「間違い」も発生します。複雑な単価設定の例として
  • ・他社競合がある場合、「競合値引き」を加味
  • ・両手装着などの対(つい)販売で、対購入すると値引き。例えば1週間の後購入であれば、値引きの対象
  • ・客ランクによる単価選択
  • ・前回購入単価設定
  • ・販売店舗ごとの単価設定
などがありました。
新システム導入時には「整理する」としていますが、整理して導入した会社を経験していません(システム担当者が部門管理者、経営層を説得できません)。「オンネットPOS」では内部ロジックの追加で対応してきました。
周辺装置への対応
まず決済端末(QR決済を含む)ですが、まず決済業者を決定する必要があります。その上で決済端末が決定されます。その決済端末と「オンネットPOS」は開示される接続手順で連携することが可能です。決済範囲は、決済業者と決済端末により決定されます。
次に自動釣銭機ですが、メーカーの接続手順により接続することは可能です。また「オンネットPOS」端末に接続される機器を複数の「オンネットPOS」で共有する要求です。この様な要求には共有管理DBで対応しています。
一般受注販売とPOS販売の統合
一般受注販売(以下「一般受注」)とは、事務所で電話/FAXなどによる受注受付販売です。
下図で示す通り、一般受注とPOS販売の機能は差異がないという考え方に基づいて構築されています。マスタ(得意先、商品など)、受注/売上/入金などのトランザクションデータも同一です。コード変換などの処理は不要です。
POSでの掛け売り、商品の後日配送など複雑な処理を容易に組み込むことが可能です(一般受注での処理を共有できるため)。また、POSは入力をバーコード読み込み、ファンクションキーなどで、画面登録作業の円滑化を図っています。この機能を一般受注担当者も使える様になっています。
一般受注販売とPOS販売の統合
POS稼働状況の即時把握
「オンネットPOS」は、画面部のみPC側(ハンディターミナルの場合もある)に配置され、ビジネスロジックとDB操作部はクラウド側に配置されています。この構造により、日本全国に設置されたPOSの稼働状況(受注/売上状況、稼働/非稼働状況など)を即時把握できます。これまでの一般的処理方式である、POS側でのDB処理、そしてサーバへの集信処理を不要としています。
POS稼働状況の即時把握
すぐに設置できること、いつでも・どこでも利用が重要
「オンネットPOS」はインターネット接続が可能であれば、どこからでも利用できます。あるフォルダに最小構成のプログラムをコピーし、サーバに接続すると最新プログラムに更新し直ぐに業務が開始可能です。移動販売、繁忙期のPOS増設などに直ぐに対応できます。
プログラムの自動配信と改善の連続化
「オンネットPOS」はWindowsの高機能画面で動作します。WEB画面ではありません。この動作方式では、プログラムはPC側にインストールされていなければなりません。このプログラムはネットワークに接続された時点で自動的にダウンロードされます。スマホのアプリダウンロードの様にです。この様な仕組みを講じると、POS機能を絶えず機能アップすること、プログラム問題への緊急対応が可能になります。
クラウド利用は障害に対して大丈夫?
「オンネットPOS」の開発は2010年頃です。当時POSは個々のPCで完結して動作する方式が主流でした。ネットワークが切れてもPC単体で動作しますし、PC自体が壊れても複数のPCで業務が行われているため障害は部分的、という事でした。
一方「オンネットPOS」は画面表示制御のプログラムのみPC側にあり、業務処理はネットワークの向こう側のクラウドにある方式です。ネットワークやクラウドに障害が起こると、POS業務全体がストップします(回避策は後述)。
この方式でPOS、販売管理を数百台のPCに適用してきましたが、今のところ障害発生は一度もありません。POSプログラムの継続改良、データの即時反映など利点の方を多く経験しました。今では優位点として訴求出来る様になりました。
クラウドが発展し、二重化などの冗長構成が簡単に用意できる様になりました。「メインサイトは日本で、バックアップは米国」も可能です。要は費用の問題です。「ネットワークは?」についてはキャリアを分けた二重化も可能です(日本全体のネットワークがダメになったらお手上げですが、スターリンクなら大丈夫かもしれません)。
「オンネットPOS」では、全国現地保守が必要になるご要求に備え「オンネットPOS全国保守サービス」)をご用意しています。
Windows技術だけで大丈夫?
「オンネットPOS」(オンネット統合業務全体)は、マイクロソフト社の開発環境とWindow OS、SQLServer(データベース)で構築されています。開発から10年以上を経過していますが、組み込み端末(ハンディターミナル)利用を含めて問題になったことはありません。
ただ今後、オンネット統合業務のデータを参照や小入力(入力項目数が少ない事)などで、スマホ利用の可能性がある点は留意しています。幸い、マイクロソフト社基盤で作成はしていますが業務ロジックはWEBサーバ側で行っています(HTTP)。このロジック利用は、HTTP通信(REST)で可能なのです。iOS, Androidも利用できます。マイクロソフト社もその辺りの開発環境も整えています。
当社はBlazor、NetMaui、WEB画面で新たなご要求に応えるべくバーコード読み取り、カメラ、GPSなどの利用を想定し、サンプルプログラムの作成も実施しています。
どんな端末にも対応
これまでWindowsPCだけでなく、Windows組み込みベースのハンディターミナル(表示面積が小さい)、タブレット端末(PCと同じ)に対応してきました。これは、①画面表示部、②POS業務ロジック部、③DB操作部に分離する方式で構築されているので可能でした。
②、③はクラウド側に配置されていますので、操作部である①の表示デザインのみの変更で対応できるためです。①の部分をWEBにすればEC画面になります。昨今、Android、iOS対応もニーズがあります。.NET MAUI の利用で対応すべく準備中です。