バッチ処理の自動化を推進
オンネットジョブ管理(OJMS)

概要

「オンネットジョブ管理」は、バッチプログラム(画面の無いプログラム)の実行管理をするものです。この機能は、画面プログラムを起動する「オンネット統合メニュー」と、プログラム起動という点で似た役割です。

バッチプログラムの起動とは、①カレンダによる時刻、②フォルダ内のファイル変化、③画面プログラムからの手動起動 などをトリガとしてJOB(複数のプログラムを並べて機能としたもの)を実行します。

このジョブ管理機能は、20年以上も前に全盛期であった、メインフレーム時代に発展し、大いに使われていました。当社はその時代の有用性を認識し、「オンネット統合業務」の共通基盤として位置付けています。

毎日、数百本のJOBを自動実行している企業もあります。

機能範囲

スケジュール定義
複数カレンダ管理
ジョブ定義
実行引数管理
・ジョブに引数を渡す
ジョブステップ間分岐処理
・次ステップを分岐実行できる
・AND実行、OR実行
ジョブネット定義
・複数ジョブをまとめる
分散実行管理
・一つの定義を複数サーバで実行する機能
*現在Windowsのみですが、Linuxなども技術的には可能
ジョブ実行監視機能
・実行状況表示
・随時実行機能(手動)
・ジョブ状態(無効、一時休止など)変更
・関連ファイルのクイック参照
・監視のグループ化
・分散監視機能(複数サイトからの監視)
バッチ処理作成支援
・データ到着から結果出力の自動化
・CSVデータ取込みの汎用化
・バッチプログラムの非手続き言語化(SQLSの提供)
*SQLS=SQLSequencer 当社開発ツール
リモートバッチ機能
・任意プログラムからのジョブ起動指示
・リモート側からのジョブ投入から結果受取り
内部統制、監査証跡の保持
・実行結果の履歴保持
リカバリー実行
・障害ステップからの実行
ファイル監視
・フォルダ監視によるジョブ実行
ジョブ管理機能の自動アップデート(プログラム配信)
・ジョブ管理機能の自動アップデート

補足説明

バッチ処理は依然として重要
メインフレームの時代はバッチ処理(画面なし処理)が全盛でした。ここ25年間は画面処理が中心です。前者は「レガシー」などと呼ばれ、情報処理の世界では「化石技術」の雰囲気です。「データをまとめて一括処理する」という処理は、集中処理(特にクラウド)においてはより重要になっています。「何もかもを画面処理で即時に」という考え方もありますが、それではシステムが超複雑になってしまいます。
SQLSとジョブ管理でメインフレームシステムを代替
「オンネットジョブ管理」があるとバッチ処理を容易に作成できます。理由はSQLSequencer(以下「SQLS」)というツールを開発しているからです。これはバッチ処理をSQLの連続実行で行うものです。
かつてメインフレームで構築していた原価計算COBOLプログラム800本を、SQLSで代替しメインフレームを返却した実績があります。作成したSQLSをジョブにし、「オンネットジョブ管理」でスケジュール実行させています(毎日150本のJOBが稼働)。
画面処理では、自動化にならない
受注データや入出庫データなどの ①伝票データ(トランザクション) などを集めて、②一括バッチ処理 するという方式を考えた場合、②を画面指示にしていたら手動で実行ボタンを押す必要があります。①は17時までに登録、②は「オンネットジョブ管理」で17:05に時刻起動、もしくはあるフォルダにトランザクションデータが準備されると自動起動します。
複数カレンダの必要性
ジョブの自動実行は、タスク(Windows)、crontab(Linux)などがOSに備わっています。参照するカレンダ(暦)は一つです。しかし業務処理のスケジュール実行を考えた場合、銀行休み、本社と工場地区の営業日の違い、会社独自の営業日(例えば年末年始、夏季休み)など、暦とは異なるカレンダが必要になります。
「オンネットジョブ管理」では複数のカレンダを保持する事が出来ます。
クラウド側資源(プログラム、資源のON/OFFなど)の制御も
クラウドの利用料金は従量制です。例えば夜間にサーバを止めれば利用料金は下がります。サーバのON/OFFはクラウドでも可能です。しかしカレンダが暦しかないため、会社固有の休日などには対応できません。
「オンネットジョブ管理」を使えば、クラウドのサービス外から複数カレンダによる資源のON/OFF制御が可能になります。もちろんクラウドで動作するプログラム、JOBの実行制御も可能です。
画面プログラムとバッチ処理と帳票プログラムの分離
「オンネット統合メニュー」「オンネットジョブ管理」で、「画面あり」「画面なし」プログラムを起動することが出来ます。コンパイル(開発)する単位を、プログラム単位にすることが出来ることを意味します。複数のプログラムを一つのコンパイル単位(実行モジュール単位)にしないという事です。開発を局所化し、単純機能をメニューとジョブ管理で疎結合し、大きな機能を果たす事が出来るのです。
「オンネット統合業務」は1000本を超える単純なプログラムの集まりで構成されています。