導入事例CASE04:
医療機器販売における店舗販売と一般受注の一体化

導入企業の概要とオンネット販売・在庫の関係

導入企業(以下「A社」)は、医療機器製造会社(プライム市場上場、以下「親会社」)傘下の全国に数か所ある販社のうちの1社である。医療機器は個人に対して店舗販売する場合もあれば、医療機関、または直販店舗以外の販売店とのB2B取引もある。取引商品、取引形態によって、①販売単価決定が複雑、②決済手段が現金・振込・クレジット・公的助成など業務が複雑 となっている。在庫管理は個体管理(シリアル番号)のものもある。

システム構築の目的

販社バラバラのシステムを統一する
全国に数か所ある販社は、それぞれ別の販売システムを導入していた。今回「オンネットPOS」「オンネット販売」「オンネット在庫」を導入することで、システムを統一させる。販社の内、システム経験の一番深いA社が全体を統括管理する体制が整備される。
店舗販売(POS)と一般受注販売業務(B2B)の同時効率化
これまでも、一部販社ではPOSを導入していたが、店舗販売と一般受注販売(電話・FAX、発注書受注)のシステムは分離されていた。これを一体化すれば、連携する機能が不要になり管理工数の削減が可能になる。
債権管理業務の効率化
店舗販売時(個人)の決済手段が複雑である。現金・振込・クレジット・公的支援そして分割払い等が絡んでくる。これを売上時に入力することで、後の振込入金、クレジット収納、公的支援の入金とマッチングがしやすくなる。
「いつでも、どこでも利用」の推進
システムが位置に関係なく使えれば便利である。「オンネット統合業務」はインターネットとPCがあればどこでも使える。場所・時間を選ばない働き方、催事販売をする場合に有用である。

システム化のポイントと効果

POSと一般受注の一体化(マスタ統合)
POSと一般受注はマスタを同一とし、同じ画面(決済画面のみ異なる)を使うことで、店舗販売、一般受注販売を同じものとした。その結果、一般受注にPOSの便利機能を取り入れられ、入力が効率的となった。
在庫管理業務の整理と効率化
医療機器の在庫管理(シリアル番号による単品管理)を可能とした。入出庫は、メーカーである親会社から入庫、POSによる売上、一般受注の出庫と連動している。今後「オンネット購買」が機能すれば、そこからも連動する。その上で、棚卸は、理論在庫表の出力、実在庫の確認、差異の認識、在庫の補正の作業手順が確実化された。
POS機能の高度化
店舗で利用するPOS機能は、得意先(顧客)検索、販売単価の決定、組合せ割引、特別価格販売など、人間判断をプログラムロジックとして組み込んだ。ファンクションキーによる複数操作の1アクション化にも取り組んだ。後に売上データの統計・分析処理を行うために、データ登録者、時刻、販売担当者・部門、得意先情報を紐付けた。
決済条件の登録(入金消込業務の効率化)
売上時点で、決済手段(振込予定・現金・金券、クレジット・公的支援及び分割入金)を登録すると、入金予定が明確になるため入金時の消込が格段にスムーズになる。これを可能とするために、POSの決済画面を高機能化し、複雑な決済手段登録を可能とした。
売上状況の即時把握
各POS画面,一般受注画面で登録された受注・売上データは、日々刻々と登録されていく。このデータを参照すれば経営の即時化、可視化につながる。これまでの処理はPOSから店舗管理サーバで管理されて、それを中央サーバに順次反映する方式が用いられてきた。今日では、POS(PC)から、クラウド上のDBに即時登録する方式が可能になった。通信障害などトラブルの発生はない。
「いつでも、どこでも利用」の実現
WindowsのPCとインターネット接続があればどこからでも利用できる。安全性はVPN化などで対応可能である。また、プログラムの自動更新機能(障害時の即時対応、機能アップなど)も重要である。今後のテレワークの必要性(在宅勤務、地方勤務、感染症対策など)に鑑みて、留意すべき事項と考えている。PCの増移設も容易になり、管理コストも抑制できる。
ラウド管理の推進
今回のシステム導入はクラウド利用とした。自社設置のサーバ管理と比べて、管理コストの抑制が出来ていると認識している。