ごあいさつ (2017年3月23日)--バックナンバー

こんにちは重永です!
[ 行動指針 ]
 一、創意工夫を継続すること
 一、知識を固定化(見える形)すること
 一、自分自身の正義感に基づく行動をすること

起業後17年目になります。事業は、当初の「受託開発」から「自社商品開発とその販売、運用」と大きく変化してきました。

このことは昨年も述べたのですが、より顕著になりました。当社業務のほとんどは商品である「オンネット統合業務シリーズ(販売、購買、在庫など)」に関わる様になったのです。

当然ながら当社事業と現在の情報処理環境の関係を解釈する必要があります。情報処理技術が劇的変化を遂げていると各方面で言われています。当社はその変化の中で、①利用環境が劇的に安価になったこと、②業務システム(販売、在庫など)の前提知識とシステム構築方法は、ここ30年間大きな変化はない、の2つのみに着目してきました。

しかし、最近③情報処理資源(コンピュータ、ネットワークなど)をクラウドサービスで、提供される様になり、この環境変化が当社事業に大きな影響をもたらしている。ということに着目しています。

①については、25年程度前は、オフコンやメインフレームと言われる、各メーカ独自のコンピュータでした。その値段は、数千万円から数十億円していました。またネットワークについては、大企業は、現在の家庭用インターネット回線より百倍遅い回線を月額数百万円で使っていました。これが劇的に安価なサーバとインターネットに置換されたわけです。

この①に加え、③クラウドサービスの出現により、低価格化が更に加速されています。なぜ③により安価になるかと言うと、必要な資源量だけを購入することができる様になったのと、管理要員が不要になったからです。コンピュータ資源を水道や電話、電気代の様に使えるのです。当社の需要と連動させることが可能になりました。

ただ、この①と③については、当社の付加価値(実力)ではありません。だれでも活用できます。当社の付加価値は②だけです。ところが②については、昔ながらの手工業(肉体労働)なのです。コンピュータは「あらかじめ定められた手順で命令を順次実行する機械」なので、どうしても手順を教えるためのプログラムが必要になります。

その手順について、当社の場合で言えば、まず販売業務、購買業務、在庫管理業務の知識が必要なのです。例えばロケット開発の場合は、軌道計算知識などが必要でしょう。
当社は、業務の基本知識とこの②の部分(手工業)を次の施策により効率化する工夫をしています。

  • 販売、購買などの業務(以下「基幹業務」)が扱う項目をDBの中に定義し続ける(DB中心設計)
  • 処理方式を標準化し、社内のだれが作っても同じ方法で作成する

これらを愚直に17年間費やしました。当然、「意味のない方向に進み、また元に戻り」の繰り返しでした。でもやっと商品力が高まり、数年前から問い合わせも多く寄せられ、事業の将来が明るくなりました。

そこに③が出てきて、当社のシステムが世界中どこでも提供できるようになったのです(現在は、日本とアジアの一部ですが)。当社のような小さな会社が突然、堅牢で大きなコンピュータ室を手に入れたのです。この組み合わせが当社の信用性を格段に高めていると実感しています。

以上の認識から当社が注力しているのは、「各社異なる(ここが重要ですよ)販売、購買などの業務知識」とその知識をプログラムにより固定化すること。加えて「システム開発を安価に、早く、確実に」を効率的に進めることなのです。
私のヤマ勘が正しければ、当社の将来は明るいということになります。私たちは、この道を信じて進んでいきます。

最後に再掲しますが、「コンピュータは、あらかじめ定められた手順を文句も言わず、高速に実行する機械」です。情報処理対象の手順を紙の上に整理する能力は絶対に必要です。私たちはここを外しません。


雑感

昨今、AiやIoTの議論が盛んです。ちょっと前までは「3Dプリンタが産業革命」と騒がれていました。

それが、碁の「人間VSコンピュータ」で、コンピュータが勝ったことにより一挙に「Ai」になったのでしょう。私はAiの進歩を否定していませんが、「仕事が無くなる」「感性を持つ」「伝票を撮影したら自動的に日計表を作る」、はたまた「小説を書く」などの類(言葉、画像などを解釈して人間を代替できるような仕事をすること)は、近未来(20年以内)ではまだ実用レベルで具体化しないと思っています。

もし人間の代替があるとすれば、これまで通りコンピュータに手順を教えて、自動実行する領域です(これまでの情報処理化)。ここは、「コンピュータ化の推進」「定型業務の自動化」などと言えば事が済みます。

IoTについては、センサ技術とデータ収集機能が超安価になったというだけ(ビジネスでの意義は大いにある。当社も着目)で、既存の工場自動化、遠隔情報収集技術などの延長線です。これらの利用技術は「情報処理技術」の脈絡で確実に進んでいます。当社もこの分野では、各種センサと業務システムとの連動性に着目しています。

2017年では、また違った「流行用語」が出てくる事でしょう。当社は、実用レベルに達した情報処理技術を見極め、当社の付加価値と繋げて参ります。


※写真についての注釈

昨年東京ビッグサイトで行われた「新価値創造展」で自社ブース前で撮った写真です。
また少し太りました。

2017年3月23日
代表取締役 重永 裕祥